はっきりと断ろう 紳士録商法
質問
過去に会社や団体の役職や氏名、経歴を本に掲載しないかと勧誘され、申し込んだことがあります。その事業者から再度、予約申込書が届きました。そこには解約を希望する場合は返信書面を提出するように支持されてあり、同一書面上に目立つ文字で「申し込みます」「申し込みません」と書かれてありました。そこで「申し込みません」に丸印をつけて返送したところ、20万円の契約承諾書兼請求書が届きました。
驚いて抗議すると、「申し込まないということは、次回版の掲載・購読から申し込まないということであり、今回分の契約は成立しているので支払う義務がある。申込書面を読み直してみると、「申し込みません」の横にさりげなく次回版の掲載購読と記入されてありました。契約書を送付した以上、申し込んだことになるのでしょうか。
(70歳代 男性)
解答
この相談は、紳士録商法と呼ばれるもので、申し込む意思のない顧客に思い違いを誘導し、意に反して申し込みをさせる悪質な商法です。過去に一度でも契約をしたことのある消費者が繰り返し勧誘を受けているようです。
そもそも、契約が成立するためには消費者と事業者との間で契約内容について意思が合致することが必要です。思い違い(錯誤)があり、その内容が契約の重要な部分に関するもので、もし、そのような錯誤がなければ、契約をしていなかったと考えられる場合、その意思表示は錯誤により無効(民法第95条)となると考えられます。
この事例では、契約の申し込みを承諾した意思はないため契約は成立しておらず、よって料金支払い義務はないと考えられます。「契約を断るつもりで申込書を出したのであり、代金は支払わない」と内容証明郵便などの書面で申し出て、それでも商品が届いてしまったら受取拒否するよう助言しました。
この例のほかにも、紳士録名簿から名前を削除するか継続するか決めるよう、事業者から威圧的な勧誘電話がかかってくることがあり、名簿から削除、または登載の継続費用として20万円を超える高額請求をされていることがあるようです。
この場合も、過去の契約はすでに終了していて、何の根拠もない勧誘と考えられますのできっぱりと断ってください。口頭で断るだけでは不安であるのなら、できるだけ勧誘電話のあったときに事業者の連絡先、名称を聞き出し、書面で契約意思のないことを通知すればよいでしょう。
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更新日:2022年04月01日
公開日:2022年03月02日